英語が通じない時の話し方のコツ

英語が通じない時の話し方のコツ

mainenglish.jpg

単語力や英語表現が身についても、

「日本語なら何となく伝えられることが、英語だと伝えられない」と苦労する人は多いと思います。

日本語で考えたことを、そのまま英語に訳そうとして、

変な英語を勝手に作って相手に通じなかったり、

対応する訳語が無いので詰まってしまったり、とか。

この場合、「英語でモノを考えろ」とアドバイスする人は多いのが、

いきなり英語でモノを考えようなんて無理に近い。

どうすればいいか?

ということで、私が普段英語を話すときに気をつけてることを紹介。

私は2年前にアメリカに来て、初めて英語100%の環境になった時に気づいたのは、

日本語って余り説明しなくても、擬態語とかで何となく通じてしまったりするが、英語ではそうは行かない、

ということ。

それで「英語で考える」とは、日本語で何となく言える内容を説明するべく考えることなのだ、と気がついた。

具体的には、
1. 日本語の表現を直訳しない。要するに何が伝わればよいのかを考え、説明的に考える
2. 自分の話す内容が、日本の文化・社会でしか通じないことかを考える。そうであれば、日本とその国の違いを背景として説明する

という二つ。2は応用編なので、ここでは特に1を説明してみる。

1) 日本語の動詞表現を直訳せず、説明する
2) 日本語の擬態語や感覚的表現を説明する。get/bring/take などの動詞が使える
3) 5W1Hを考えて、主語や目的語を補う

1)日本語の動詞表現を直訳しない

日本語は何でも動詞に出来ちゃう言語で、一つの動詞が表す意味も幅広いと思う。
ところが英語の動詞は日本語と同じ発想とは限らないので、相手が分かるように説明する必要がある。

例えば、焼肉のときに「この肉、私が育ててるの」など、肉を焼くことを「育てる」と表現する人がいる。

先日、韓国人の友人と焼肉に行ったとき、その友人が「Are you developing this?」と

私の焼いていた肉を指して聞いてきた。

(このときは、韓国でも日本人と同じモノの発想するんだな、と感心した。)


しかし日本人の私には通じたが、この英語はネイティブの英語スピーカーにはほとんど通じないだろう。


「肉を育てる」という言葉を普段使っていたとしても、

「育てる」をそのまま「Develop」と訳してはイミフメイである。

こういうときは、自分の言っている「育てる」とはどういう意味か、を一瞬考える。

「調理する」だと気づけば、「Do you cook this meat?」となってまだマシな英語が言える。

非常に不自然な英語だが、Cookという動詞なら誰にでも通じる。


更に「結局私は、これがあなたのか私のなのかを聞きたいんだ」と質問の目的まで考えれば、

「Is this yours?」と聞けるだろう。

これなら、とても自然な英語だ。

そういえば、「英語が通じない」も日本語独特の表現だ。

日本語では「通じる」という自動詞があるが、英語ではこれは英語を主語とした自動詞では表現しない。

辞書を調べると「通じる」=「Get through」などと出てくるが、My English does not get throughとか
言われてもイミフメイである。

ここでも、「通じない」とは一体どういうことか考えるのだ。

「私がイイタイコトを十分に表現できない」ということで、私に原因があるのか?

であれば、I cannot express myself fully in English となるだろう。

更に説明的に言うなら、I cannot express what I am thinking exactly in English となるかもしれない。

どちらも、若干不自然な英語ではあるが、これなら100%通じる。

更に、英語がちゃんと話せない、ってことを言いたいんだ、ってとこまで気が付けば、

I don't speak English となって、より英語らしい表現となるだろう。

同じ「英語が通じない」でも、「この地域の人は英語を話さない」であれば、

People in this area don't speak English となる。

このように、日本語の動詞表現と同じ発想を英語が持っているとは限らないので、

自分がイイタイコトは何か考えて、説明するのが、通じる英語を話すのに大事だと思う。

2) 日本語の擬態語を説明する−be動詞のほか、get/take/bring などが使える

日本語は、これまた擬態語が多くて、これまた感覚的に話せる言語なんだけど、

当然英語にはこんなに無いから、考えないとならない。

たとえば「わくわくする」。

そのまま英語にはならないので、状況を説明する形に言い換える。

「私が」(Who)、興奮しているということなので、I'm excited! とか I'm getting excited となる。

「どきどきする」 これも意味を考える。

「緊張する」という意味であれば、 I'm get tensed と表現できるし、

もっと説明的に「私の心臓の鼓動が早くなる」と考え、My heart is beating と言っても意味は通じる。
(ちょっと歌の歌詞みたいでキザだけど)

「しわしわになる」

「しわ」という名詞はwrinkleだから、It gets wrinkled といえば

「(それが)しわしわになる」と言う意味に出来る。

このように擬態語は、もとの意味を良く考えて、より説明的に表現を加えることで、英語らしくなると思う。

3) 5W1Hで文章を補う。

更に、日本語の文章はハイコンテクストで、

文脈を読ませて、主語や目的語をハッキリさせなくても、通じることが多いが、

移民国家のアメリカではそのような発想では通じない。

この場合、5W1Hを使い、「いつ、どこで、誰が、何を、何故、どうした」のか、ハッキリしない部分を説明する。

完全な文章が話せなくても、カタコトでも正しい単語が入っていれば、ネイティブの人には英語は通じる。

カタコトの日本語でも私たちが相手が何を言いたいのが分かるのと一緒だ。

逆に通じないときは、5W1Hがちゃんと説明されてなくて、話の状況が読めないから、だと思う。

5W1Hの全てを説明する必要は無いけど、WhoとWhereだけ説明するとか、

いくつかの要素は説明して分かりやすくすると、通じやすくなる。

以上、英語を話すときに気をつけること−説明的に話すように心がけること。

ここに挙げた例以外にも色々あると思うんだけど、通じないときは「説明しよう」と心がけると、

通じるようになることが多い。

そしてそれが自然に出来るようになってくると、英語で考えるのが苦ではなくなってくる。
ソース:My Life in MIT Sloan

コレはためになりますね。